最低賃金攻略への道 Part.3
~具体例で見てみよう!~
【月給制場合】
労働者Aさんは、月給で、基本給が月100,000円、職務手当が月30,000円、通勤手当が月5,000円支給されています。また、この他残業や休日出勤があれば時間外手当、休日手当が支給されます。この月は、時間外手当が35,000円支給され、合計が170,000円となりました。なお、Aさんの会社は、年間所定労働日数は250日、1日の所定労働時間は8時間で、県の最低賃金は時間額850円です。この場合は
(170,000円-5,000円-35,000円)÷{(250日×8時間)÷12か月}≧850円
780円<850円で最低賃金未満となります。
【日給と月給の組み合わせの場合】
労働者Bさんは、基本給が日給制で、1日あたり4,600円、各種手当が月給制で、職務手当が月25,000円、通勤手当が月5,000円支給されています。この月は、20日間働き、合計が122,000円となりました。なお、Bさんの会社は、年間所定労働日数は250日、1日の所定労働時間は8時間で、県の最低賃金は時間額800円です。この場合は
(4,600円÷8時間)+(30,000円-5,000円)×12か月÷(250日×8時間)≧850円
575円+150円=725円<850円で最低賃金未満となります。
【歩合給制の場合】
タクシー会社で働く労働者Cさんは、ある月の総支給額が143,650円であり、そのうち、歩合給が136,000円、時間外割増賃金が5,100円、深夜割増賃金が2,550円となっていました。なお、Cさんの会社の1年間における1箇月平均所定労働時間は月170時間、M月の時間外労働は30時間、深夜労働が15時間でした。県の最低賃金は、時間額850円です。
※1時間外割増賃金(136,000円÷200時間×0.25×30時間=5100円)
※2深夜割増賃金(136,000円÷200時間×0.25×15時間=2,550円)
(143,650円-5,100円-2,550円)÷200時間≧850円
680円<850円で最低賃金未満となります。
【固定給と歩合給が併給される場合】
タクシー会社で働く労働者Dさんは、ある月の総支給額が192,238円であり、そのうち、固定給が119,000円(ただし、精皆勤手当、通勤手当及び家族手当を除く。)、歩合給が42,000円、固定給に対する時間外割増賃金が26,250円、固定給に対する深夜割増賃金が2,625円、歩合給に対する時間外割増賃金が1,575円、歩合給に対する時間外割増賃金が1,575円、歩合給に対する深夜割増賃金が788円となっていました。なお、Dさんの会社の1年間における1箇月平均所定労働時間は月170時間で、M月の時間外労働は30時間、深夜労働が15時間でした。県の最低賃金は、時間額850円です。この場合は
※固定給に対する時間外割増賃金(119,000円÷170時間×1.25×30時間=26,250円)
※1固定給に対する深夜割増賃金(119,000円÷170時間×0.25×30時間=2,625円)
※2歩合給に対する時間外割増賃金(42,000円÷200時間×0.25×30時間=1,575円)
※3歩合給に対する深夜割増賃金(42,000円÷200時間×0.25×15時間=788円)
(1) 固定給(最低賃金の対象とならない賃金を除いた金額)を1箇月平均所定労働時間で除して時間当たりの金額に換算すると、
119,000円÷170時間=700円
(2) 歩合給(最低賃金の対象とならない賃金を除いた金額)を月間総労働時間数で除して時間当たりの金額に換算すると、
42,000円÷200時間=210円
700円+210円=910円>850円で最低賃金以上となります。
※割増賃金の端数処理はは50銭未満の端数を切り捨て、50銭以上1円未満の端数を1円に切り上げです。
では、実際いくら必要になるんでしょうか?それはPart.4で‼