最低賃金攻略への道 Part.4

~最低賃金を攻略しよう!~

では、最低いくら以上の賃金が必要なのでしょうか?逆算してみましょう。

ここでは基本給+諸手当はいくらになるかでみてみます。

今回も前回(Part.2)と同様労働者ABCDさんの労働条件とし、最低賃金額は850円とします。

【月給制場合】

労働者Aさんと同じ条件だとすると

(X円-5,000円-35,000円)÷{(250日×8時間)÷12か月}≧850円

この場合Xは、181,667円となり基本給+諸手当では最低141,667円必要となります。

【日給と月給の組み合わせの場合】

労働者Bさんの場合で基本給(日給)部分を引き上げる場合は

(X円÷8時間)+(30,000円-5,000円)×12か月÷(250日×8時間)≧850円

この場合Xは、5,600円の引き上げが必要となります。

月給部分を引き上げる場合

(4,600円÷8時間)+(X円-5,000円)×12か月÷(250日×8時間)≧850円

この場合Xは、50,834円となり20,834円の諸手当(精勤手当、通勤手当、家族手当を除く)を引き上げる必要があります。

【歩合給制の場合】

労働者Cさんと同じ条件だとすると歩合給なので

{X円-(X円÷200時間×30時間)-(X円÷200時間×15時間)}÷200時間≧850円

この場合はXは、180,133円になり36,483円の引き上げが必要です。

【固定給と歩合給が併給される場合】

労働者Dさんと同じ条件で固定給の最低ラインは

X円÷170時間+42,000円÷200時間≧850円

この場合は108,800円が最低必要となります。

歩合給のみをあげるとすると

119,000円÷170時間+X円÷200時間≧850円

この場合は30,000円以上が必要となります。

割増賃金の端数処理は50銭未満の端数を切り捨て、50銭以上1円未満の端数を1円に切り上げです。

<これだけは越えなければならない最低賃金額の最低ラインの計算式>

<月給制の場合>

X円÷1か月の平均所定労働時間

<日給制の場合>

X円÷1日の所定労働時間

<日給制と月給制の組み合わせの場合>

X円÷1日の所定労働時間+Y円÷1か月の平均所定労働時間

<歩合給の場合>

X円÷総労働時間

<固定給と歩合給の場合>

X円÷1か月の平均所定労働時間+Y円÷総労働時間

割増賃金の端数処理は50銭未満の端数を切り捨て、50銭以上1円未満の端数を1円に切り上げです。

いかがだったでしょうか?最低賃金攻略への道は攻略できましたでしょうか?

また、法改正等がありましたら、ご案内いたしますのでご覧ください。

わからないところや疑問に思われたところはご遠慮なくご相談ください。